おかしな会話に気づかない

P君は5歳児、幼稚園に通っています。ある日幼稚園の参観日に、自分の好きな事を発表するという機会がありました。P君は「名前はPです。好きな事は図鑑を見る事と、洗濯機です。」と答えました。先生はP君に「洗濯が好きなんですか?」と聞きました。するとP君は「洗濯はお母さんが好きです」と真面目に答えました。皆は笑いながらP君を見ていました。お母さんによると、P君は回転する物が好きなのだそう。洗濯機が回っているのをよく見ているのだと言います。お母さんはP君に、「そんなに洗濯機を見るのが好きなら手伝ってくれない?」と話しましたが、P君は「お母さんが毎日やっている事をとったらかわいそう」と言って見ているだけなのです。お母さんはその時冗談だろうと思い取り上げていませんでしたが、不思議な感じがしたとのことです。一見するとP君の行動は、幼児期では大きな問題として見られず、むしろ5歳児の微笑ましいエピソードとして済まされてしまうかもしれません。P君はまじめに自己紹介も出来、好きなものも言えました。なのに皆に笑われて傷ついたことでしょう。P君は5歳の子どもが関心を示さない洗濯機に強い関心を抱いています。発達障害のある子どもは、子供向けのおもちゃよりも専門的な図鑑や機械などに興味関心を示すという事が多々あります。他にも、大人びた口調で話したり、状況と関係なく振舞って周りの大人から笑われても、なぜ笑われたのか分からないという事があるのです。小学生になると、子ども同士でもこの「違い」が分かって来て、仲間はずれにされてしまうという可能性もあります。